生前整理は「人生の棚卸し」- 前向きな準備のすすめ
私たちの仕事って、特殊清掃や遺品整理みたいに、時として非常に悲しい現場や大変な状況と向き合うことが多いんです。もちろん、専門的な技術や知識は絶対に必要なんですけど、先輩たちからいつも言われるのは、「一番大切なのは、ご依頼者様や故人様の『想い』に寄り添うことだ」ということ。その言葉の意味を、日々の現場で少しずつ実感しているところです。
ポジティブな準備としての生前整理
そして最近、その「想い」というのを特にポジティブな形で感じさせてもらえるのが、「生前整理」のお手伝いなんです。最初は単なる「お片付け」の延長くらいに考えていたんですけど、全然違いました。これって、未来に向けた非常に前向きな準備なんだなって、最近非常に思うのです。
生前整理って、「終活」という言葉とセットで語られることが多いからか、どこか「終わりの準備」みたいな少し重たいイメージがあるかもしれないんですけど、現場で感じる空気はまったく逆なんです。もちろん、「子どもたちに迷惑をかけたくないから」というのが一番のきっかけだったりするんですけど、作業を進めながらお話を聞いていると、もっとポジティブな気持ちが伝わってくるんです。
「自分の人生で大切にしてきたモノたちと、元気なうちにしっかり向き合いたい」とか、「これからの人生を、もっとスッキリした気持ちで、身軽に楽しみたいんだ」とか。古いアルバムが出てきて、ご依頼者様の若い頃の話で盛り上がったり、大切な手紙を読み返して涙ぐんだり…。それはもう、単なる「モノの処分」じゃなくて、ご自身の人生を一つひとつ慈しむような、「人生の棚卸し」みたいな時間なんだなあって、そばにいて感じます。
エンディングノートのすすめ
じゃあ、いざ生前整理を始めよう!と思っても、どこから手をつけていいか分からないって方も多いと思うんです。 自分の部屋ですらそうですから。そんな時、先輩が「まずエンディングノートを書いてみるのをお勧めしてみたら?」と教えてくれました。
遺言みたいに法的な効力があるわけじゃないんですけど、自分の想いを整理して、家族に伝えるのに非常に役立つみたいです。例えば、資産や保険のことだけじゃなく、「飼っているペットの世話を誰にお願いしたいか」とか、「大事にしている趣味の道具はどうしてほしいか」、「SNSのアカウントをどうするか」なんてことまで、自由に書き留めておけるんです。
最近は自治体が無料で配布していたり、本屋さんにもいろんな種類のノートが売られていますよね。総務省のサイトなんかでも、情報収集のポイントがまとめられていて参考になります。こういうノートを書き進めていくうちに、自然と「じゃあ、この思い出の品は整理しておこうかな」とか「この着物は、誰かに譲る準備をしておこう」みたいに、モノの整理にも気持ちが向かっていくことが多いそうですよ。
まとめ
結局のところ、生前整理って「モノ」を整理する作業を通して、ご自身の「心」や「想い」を整理していく、非常にパーソナルで大切な時間なんだなと思います。もちろん、体力的に大変だったり、判断に迷ったり、一人で進めるのが難しい場面もたくさんあると思います。そんな時に、私たちみたいなプロが少しでもそのお手伝いができたら、非常に嬉しいです。
私たちはただ荷物を運び出すだけじゃなくて、ご依頼者様の大切な思い出話に耳を傾けながら、これからの人生をより豊かにするための準備に、そっと寄り添えるような存在でありたい。現場でそんなことを考えながら、今日も頑張っています。